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有事・個人情報 民主主義原点に行動を 委員長緊急アピール
 私たちメディアで働く者が大切にしている「自由」や「平和」が根底からおびやかされています。市民のすべてに「法の網」をかぶせる個人情報保護法。それに続く有事法制など、憲法の平和原則を踏みにじり、市民の財産や基本的人権、言論・報道の自由を侵害する法律が、市民の意見を十分聞くことも、国会での真剣な審議もなく、政党間の「合意」だけで決められていく事態に、私たちは沈黙するわけにはいきません。
 個人情報保護法は、最も多くの個人情報を持つ「官」への規制がゆるく、「民に厳しく官に甘い」法律です。旧案の廃案後、政府の修正案として出てきたものは、報道を「不特定かつ多数の者に対して客観的事実を事実として知らせること」と規定し、国が「報道」の定義を勝手に決めつけるという、前代未聞の内容になりました。
 そして有事法制。「有事」の問題は、有事が起きないよう「未然防止」をすることにこそ、政府は力を注ぐべきです。しかも北朝鮮による核開発再開などの問題は、有事法制が成立すれば解決できるものではありません。小泉首相の「備えあれば憂いなし」という言葉には、何の意味も見いだせません。米国のブッシュ政権との軍事的協力関係を強めるほど、東アジアの緊張は高まり、戦争・テロの危険性はいっそう強まることになります。本来、法律は市民のためにあるものであって、国家のためではありません。私たち市民も、国家のために生きているのではありません。
 米英軍のイラク攻撃で、多くの罪のないイラク市民が命を奪われました。記者も犠牲になりました。どんな戦争にも正当な理由などあるはずはないでしょう。戦争やテロの根底には、宗教や民族の違い、差別など複雑な問題が横たわっています。それを乗り越えるには、国と国、あるいは市民同士の対話を重ねてこそ、解決の道が開けるのです。
 私は、日本を「戦争ができる国」にしたくはありません。「普通の国」というのは、「戦争のない国」です。だからこそ、「戦争への道」を開く有事法案に、断固として反対の声をあげ、廃案に追い込む必要があるのです。
 「戦争のためのペンはとらない」。メディアで働く私たちは今こそ、この誓いを胸に刻むべきです。民主主義の原点に立ち、暮らしや命、平和を守るため共に行動を起こしましょう。
日本新聞労働組合連合
中央執行委員長
明珍美紀