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大阪府・大阪市職員による取材の無断記録化の中止を求める

2019年6月25日
日本新聞労働組合連合(新聞労連)
中央執行委員長 南 彰


  大阪府と大阪市でつくる「副首都推進局」の職員が、記者による府議・市議の個別取材の内容を周囲から無断で録音し、内部資料として共有していたことが発覚しました。行政機関が、記者の取材内容をひそかに収集し、記録化することは、取材の監視につながり、「報道の自由」を侵害するものです。ただちに中止することを求めます。

 副首都推進局の説明によると、同局では2017年以降、大阪都構想の制度案を議論する法定協議会が開かれるたびに、政党ごとの担当職員を決め、法定協終了後の議員取材の様子を録音。議員や記者に無断で行ったうえ、その内容を文字化し、内部資料として職員の間で共有していました。

 特に問題なのは、議員と記者の信頼関係に基づいて行われている個別取材についても無断で録音していたことです。このような行政機関による介入が続けば、「だれが」「何を」「どこの記者に」語ったかが行政機関に筒抜けとなります。取材源の秘匿や取材内容の保秘に支えられた取材環境も崩れ、その結果、国民・市民の「知る権利」を損なうことになりかねません。

 発覚後、副首都推進局は「個別の取材を録音することは認識を誤っていた」と陳謝しましたが、松井一郎大阪市長は6月24日の記者団の取材に「問題ないと思う。議員がどういう話をしているか役所として把握したいというのは当たり前だ」と正当化する発言をしています。

 「把握したい」という公権力の思いがそのまままかり通れば、監視社会につながり、報道の自由をはじめ、民主主義社会を支える市民の自由は失われてしまいます。松井市長は「議員という公人が役所の廊下という公共スペースで話したことを無断で録音されても文句は言えない」とまで主張していますが、「公共スペース」を盾に様々な場所での発言が録音され、監視対象になることに将来的につながりかねない危険性もあります。

 日本有数の大都市の市長で、国政政党の党首も兼ねる松井氏の発言の影響力は大きいものがあります。認識を改め、ただちに中止することを求めます。

以上