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第132回新聞労連定期大会宣言

2018年7月25日
日本新聞労働組合連合
中央執行委員長 小林基秀


 新聞労連は7月24、25の両日、東京・浅草で「人権侵害を許さず 新聞労働者の権利を守ろう」をメーンスローガンに、第132回定期大会を開きました。小林基秀委員長は、大会冒頭のあいさつで、在京テレビ局の女性記者に対する財務省前事務次官のセクシャルハラスメント問題をきっかけに、マスコミ業界のセクハラが大きくクローズアップされたことなどにふれ、「私たちはどれだけ女性社員が苦しんできたかを理解してきたのだろうか。セクハラを黙認している業界がいくら偉そうなことを言っても説得力がない。セクハラをなくすことが一番の労働改善だ」と訴えました。

 新聞労連は、4月18日、「『セクハラは人権侵害』財務省は認識せよ」との抗議声明を発表。直後の21、22日に労連が企画した全国女性集会では、約50人の参加者一同が、「セクハラに我慢するのはもうやめよう」とするアピール文を採択し、社内・社外ともにセクハラは断固として許さないという強い意思を示しました。

労連は5月、日本新聞協会に対しても、「メディアで働く女性の労働改善に関する申し入れ」を行い、メディア業界で増加する女性労働者の家庭と仕事の両立や、キャリアアップ、セクハラ対策を加盟各社に徹底するよう訴えました。セクハラ、パワハラなどのハラスメントは人権侵害です。放置することは、新聞業界をはじめとするメディア業界の未来を閉ざすことになりかねません。労連加盟単組は、ハラスメント根絶の取り組みをさらに強めなければなりません。ハラスメントは、性別や年齢に関係なく、加害者にも被害者にもなりえます。私たち新聞労働者もいま一度、自身の振る舞いを見つめ直す必要があります。

 新聞業界で働く者の命と健康を守り、真の働き方改革を実現することも欠かせません。6月に政府・与党は、多くの労働者の反対を無視し、「働き方改革関連法」を成立させました。労働基準法をはじめ雇用対策法、労働安全衛生法、労働契約法など取り扱い法規が多岐にわたり、働く者の権利を前進させると評価できる部分が少ない働き方改革関連法には、私たちは一貫して反対してきました。事実上の「働かせ放題」となる高度プロフェッショナル制度(以下、高プロ)や、過労死ラインを超える設定の「上限時間規制」は、直ちに私たちの命と健康を脅かすもので、看過できません。私たちは、高プロの廃止と、上限規制時間の引き下げを粘り強く訴え続けるとともに、職場に高プロを持ち込ませず、また法定の上限時間を下回る規制の設定を目指していかなければなりません。4月からは非正規で働く人たちの無期雇用転換が始まりました。雇い止めなどの問題を想定し、加盟単組は非正規のみなさんを支援していくことが重要です。

労連が支援する争議のなかでは、新聞通信合同ユニオン電波新聞支部の時間外労働・休日出勤手当の支払いを求めた残業代請求訴訟で、昨年12月、東京地裁で和解が成立しました。この争議の結果、組合員へのパワハラ、違法行為を働いてきた社長を退任させることができました。また、山陽新聞労組については、夏季一時金の支給額と県労委あっせんへの出席拒否をめぐる争議と、正副委員長を印刷職場から排除する異職種配転問題への支援が続いています。正副委員長を別会社運営の新工場に出向させない理由に、印刷部門の別会社化に反対する山陽労組の方針を挙げた会社の対応は、明らかな労働組合法違反です。労連は4月、岡山県労働委員会に不当労働行為の救済を申し立てました。労連の総力を結集し、支援をしていくことが必要です。

 新聞業界は部数と広告需要の低迷が続き、回復の兆しは見えません。沖縄では経費削減を理由に、沖縄タイムス・琉球新報の2社による印刷の協業化の動きがあります。ただし、経営合理化を目的としただけの労働者の不利益変更は認められません。労連を通じて一層連携し、知恵を共有して、会社に対抗していきます。

 事の正誤ではなく、自分が気に入らない報道は、「捏造」「フェイク」と決めつけ、自分が気に入らない言動は「反日」「売国」とののしるという風潮が広がっています。私たちは新聞人として愚直に事実を伝えていくと同時に、フェイクニュースに対しては、フェイクだと発信していくことも必要でしょう。かつて新聞が戦争に加担した、煽ったとの痛烈な批判から結成された新聞労連にとって、「非戦・非核」の取り組みは不可欠です。先日の西日本豪雨をはじめとした災害では、家族を亡くしたり、家が倒壊したりした人々が多数いました。沖縄では、戦後70年以上経った現在も米軍基地を押しつけられたままで、住民は問題への対応に疲弊している状況です。私たちには、こうした辛苦に遭遇している市民の声なき声を紙面ですくい上げる責任があります。

 言論・表現の自由を守り、平和と民主主義を支える新聞の使命は、失われることはありません。新聞のできることはまだあります。労連、各単組が主体となって信頼を勝ち取っていくことが重要です。団結と連帯の力をもって、私たちの働きがい・働きやすさの向上を目指していくことを、ここに宣言します。


以上