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新聞労連主催「女性集会」活動報告

2018年4月22日

新聞労連女性集会が4月21、22両日、東京都内で開かれ、29単組から男女53人が参加した。読売新聞東京本社の編集局専門委員でジェンダー担当の笠間亜紀子さんの基調講演に続いて、女性記者たち6人がパネルディスカッションで意見を交換。その後、6班に分かれて、家庭(子育て、介護)と仕事の両立やセクシャルハラスメントの現状、原因、対策について話し合った。

 笠間さんは、2013年4月からジェンダー担当として自社で取り組んでいる女性記者サポートについて報告した。全国に散らばる女性記者をいくつかのグループに分け、各グループに本社にいる中堅の女性社員20人をコーディネーターとして配置。匿名でアンケートを実施し、具体的に何をセクハラと感じているかをはっきりさせるとともに、半年ごとにグループで集まって研修を開いて現状把握をしている点を紹介した。また、編集職場全員に名刺サイズの「STOP!ハラスメント」を配布。連絡シートを作って、入社3年目までは1か月おきに最近の様子を報告してもらって変化を察するなどの取り組みを説明した。

 笠間さんは「新聞社にとって人は最重要資源であり、言葉で社会に貢献する専門集団。だからこそ、報道機関の責務を果たすとともに、組織と個人の持続的成長のためには、男女ともに働きやすい職場環境を整える必要がある」と話した。

 パネルディスカッションでは、取材現場や報道で働く女性記者ら6人が登壇。新聞社の両立支援に関する取り組みや、財務省の福田淳一事務次官のセクハラ疑惑を訴えたテレビ朝日記者の件をきっかけにした各社の現状について意見を交わした。

 両日ともに開かれた分散会では、なかなか進まない両立支援について議論が深められ、セクハラ被害、その対策について話し合われた。セクハラ関連で出た意見は次の通り。

<セクハラ事例>

・居酒屋で取材相手から胸を触られた。今でも怒りがわいてくる。

・取材相手に家の前まで来られ「家に入れてくれ」と社有携帯に電話がかかってきたことがある。何から怒っていいか分からない。

・タクシーの車中で取材先に手を握られたり、キスをされたりした。取材先にマスク越しにキスをするよう求められた。

・飲みに行くと手を触られる、顔が接近してくるなどがあったが、ネタ元だったのでなんとなくやりすごしていた。

・取材先で1対1で話しただけで恋愛感情を持たれる。

・初対面の取材先から、身体的特徴について指摘された。

・うまくいなしてネタを取ってこいというのが社にも上司にも根深く強く残っている。自分もうまくセクハラ相手を利用してやるぐらいに思っていた。

・女性記者の多くはセクハラを受けても流して職務に当たっている。

・取材中にひわいな言葉をかけられたり、ひわいなものを見せられたり事も多々あった。仕事だからと鈍感になっている自分がいた。

・社内外でセクハラで有名な人が幹部になっていることが多く、訴えても意見が通らないのではと感じる。

・社外のセクハラは何度か経験したが、我慢しろ、かわせと教わっているので声をなかなか発することができなかった。私が断ったら社が嫌われてしまうと思っていた。

・取材先からチークダンスの強要がある。後輩が迫られた時には、自分に振られるのが嫌で見過ごした。

・取材先との飲み会の2次会で、男性と2人きりになった。既婚者だったし、ただの取材相手なので、何も気にしてなかったが、体を触られたほか、酔ったふりをして太ももやお尻を触られた。後日上司に言ったら笑われて終わった。

・営業の取引先から毎回ひわいな言葉をかけられる。

・取引先のセクハラがひどく、「触られても何も言うな」と社内の上司にも言われている。

・官公庁で取材相手のいる部署に行ったら「○○のラブホで待っとけ」などと相手に言われるなど悔しく、気持ち悪い思いをたくさん我慢してきた。

・所属長から「女を使ってネタ取ってこい」と言われたことがある。

・広告のクライアントと飲みに行き、タクシーがホテルの前で止まることもよくある。

・テレ朝同様の件で、若い記者からセクハラを受けたことについて記事にしたい、という相談を受けたことがある。所属長らに声を上げたが、結果的には無視された。(当事者ではないが記者コラムの形で掲載した)。

・「女を使ってネタを取ってきている」と周囲に言いふらされた。

<対策>

・ジャーナリスト集団として、自ら会社や労組を通じて主体的に変わるべきだ。

・管理職研修で、「困ったことがあったら相談していい」と若手に言うように指導する。

・ノーと言いやすい環境をつくる,働きかけが必要。

・被害者を組織として守る。そしてうやむやにしない。「我慢しろ」ではなく「一緒に怒ろう」という態勢になれるといい。

・言語化しなければ分からないのが大きな問題。

・セクハラ行為をした人物を処分や異動対象にすべきであって、被害者を取材先や取引先の担当から意思に反して外したり、女性に担当させないなど働く場を制限する行為をしないでほしい。

・問題が根深いことを社会全体が理解できるようにもっと声を上げやすい報道をしていくべきだ。

・私たちもやり過ごした面もあった。でも私たち自身がもう断固としてセクハラにだめだと言おう。沈黙せず、声を上げ続ければ、社会の考えも変わると信じる。取材活動にセクハラはいらない。

・セクハラに抗議し、なくそうとする流れを一過性で終わらせない。10年くらい長く取り組むプロジェクトにする。

・セクハラは、不快に思ったらセクハラになることを再認識できるよう全体で共有したい。

・社内で「セクハラNOカード」を作って配るほか、新入社員研修で「NOと言っていい」と呼び掛けるべきだ。

・「セクハラは死ぬほど嫌だけど、取材相手を100%嫌いではない」との意見があり、そこをなかったことにするから、問題が深刻化している。相手の存在を拒否しない形で、セクハラ行為にNOと伝える手法を現場の女性たちで共有する研修があればいいんじゃないか。

・社外に対して、会社が組織として守ってくれる規定がほしい。社内外に相談窓口を設けたり、専門家を入れたりして問題化する仕組み作りが必要。

・所属長が判断するのではなく、上に上げて情報共有、判断するようにしないといけない。

・米国では、アルコールのある場で異性と1対1で会うことはNGとされていて、学校でも教えられている。ロイター通信も同様。

・会社で決定権を持つ役員に女性がいない。組合ですら少ない。女性が増えることで会社に届きやすくなる。女性の役員比率などで数値目標を出して、実現するように会社にも声を上げてほしい。

・社内で男性管理職が、福田財務次官の話について「こんなことよりもっと政局を議論すべきだ」という発言を聞いて失望した。意識のありようを変えてほしい。

・社内外に通報してもその後の対応が分からず二次被害を恐れて黙っている状態が長く続いてきた。二次被害が起きないよう、はっきりしたワークフロー(作業手順)を作るべきだ。

 

以上