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電波新聞残業代請求事件勝利和解にあたっての声明

2017年12月15日

1 事件の概要
 2017年12月15日、電波新聞残業代請求事件において、労働者側の勝利和解が東京地方裁判所(民事36部・石田明彦裁判官)にて成立した。
  (株)電波新聞社は、日刊電波新聞や電子工作マガジンといった、電子部品・家電などに関する新聞・メディアを発行する従業員70名程度の株式会社である。
 同社においては長年ワンマン社長による従業員に対する暴言や理不尽な業務命令といったハラスメントが横行し、労働時間管理がなされない中で長時間労働が強いられる一方、36協定はなく残業代も払われない状況であったところ、記者として勤務する2名の労働者が、新聞労連・新聞通信合同ユニオン電波新聞支部を結成し団体交渉で労働条件の改善を求めてきた。その中で、会社が任意に支払いをしない未払い残業代について、当該2名の組合員が原告となって2年分の残業代合計約1200万円を求めて2016年11月22日に提訴したのが本件である。

2 和解内容
 原告らが、PCのログ履歴、日記、会議メモ、休日出勤届けなどの証拠により残業の実態を明らかにした結果、裁判所は会社に対し一定の残業代の支払いによる解決を強く促し、会社が解決金を支払う形での和解が成立する運びとなった。
 さらに、原告ら及び組合は、訴訟の中で、社長によるハラスメントが横行していることを問題視し、将来のハラスメントを行わないことや、全従業員に対する労務管理を適切に行うことを求め、和解の条件として提示した。
 その結果、以下の項目での和解が成立した(注:被告とは会社を指す)。
 (1)被告は、原告らに対し解決金を支払う(金額は非公表)。
 (2)被告は、平成29年12月26日までに適正な手続きに則り従業員代表を選出し、36協定を締結することを確約する。
 (3)被告は、原告ら及びその他従業員が法定労働時間を越えた時間外労働をした場合には、同時間外労働に対して労働基準法に基づく割増賃金を支払う。
 (4)被告は、原告ら及びその他従業員が休日出勤をした場合には、同休日出勤に対して労働基準法に基づく割増賃金を支払う。
 (5)被告は今後暴言等のパワーハラスメントととらえられる言動をしないことを確約する。

3 本件の意義
 本件は、単に原告2名の残業代を支払わせたというだけにとどまらず、会社に対し全従業員に対する労務管理のあり方を根本的に是正させる和解を勝ち取ったという点で、重要な意義がある。
また、和解交渉が大詰めを迎え、成立直前であった本年12月1日、数々のパワハラを行ってきた社長が代表取締役社長を退任し、社長の長男が代表取締役社長に就任したことが発表された。原告ら及び組合が社長によるパワハラや違法行為の数々を追及してきたことが、社長の早期退陣につながったものと推察される。
 私たちは、新社長のもとで、電波新聞で働く従業員が生き生きと働ける職場環境を確立し、質の高い紙面を読者に提供し、よりいっそう会社を発展させていくために、引き続き力を尽くす決意である。
以上

日本新聞労働組合連合
新聞通信合同ユニオン
原告ら代理人弁護士 今泉義竜