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脅迫や個人攻撃による言論封殺を許さない
2014年10月9日
日本新聞労働組合連合(新聞労連)
中央執行委員長 新崎 盛吾


 
かつて慰安婦報道に関わった元朝日新聞記者の勤務先の大学に退職を要求する脅迫文が送りつけられ、インターネット上で家族を含めた個人攻撃が続いていることに、新聞労連は学問や思想信条の自由を守る立場から強い怒りを表明する。

 朝日新聞は8月、慰安婦報道の検証記事を掲載し、朝鮮人女性を強制連行したといういわゆる「吉田証言」が虚偽だったとして、過去の関連記事を取り消した。脅迫の対象となった元記者は、元慰安婦の裁判を支援する団体の幹部が身内にいたことなどを理由に、過去の記事で意図的なねつ造があったのではないかなどの批判を受け、検証記事の中で誤用があったことは認めている。ただ、記事の内容や経緯の如何を問わず、意に沿わない記事を書いた取材者を社会から排除しようとする行為は、言論の封殺につながり、絶対に看過できるものではない。

 1987年5月、朝日新聞阪神支局に散弾銃を持った男が押し入り、当時29歳の記者が殺害され、別の記者が重傷を負う事件が起きた。「赤報隊」を名乗る犯行声明は、朝日新聞の報道姿勢を批判する内容だった。民主主義社会において、威力や暴力で言論の自由を屈服させる行為を二度と許してはならない。

 元記者が非常勤講師として勤務する北星学園大(札幌市)は、3月中旬以降に抗議や脅迫が相次いだため警察に被害届を出したことを明らかにし、「大学の自治を侵害する卑劣な行為に、毅然として対処する」との立場を表明している。学者や弁護士らが大学を支援する会を結成するなどの動きも広がっている。

 新聞労連は、脅迫に屈しない大学の姿勢を支持するとともに、元記者への個人攻撃を許さず、言論の自由を守るための取り組みを続けていく。

以上