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民主主義を破壊する「特定秘密保護法」に断固反対する
〜戦争は秘密から始まる〜
2013年9月4日
日本新聞労働組合連合(新聞労連)
中央執行委員長 日比野敏陽

 安倍内閣は「特定秘密保護法案」の概要を明らかにした。このような法律が成立すれば、国民の知る権利や取材、報道の自由は侵害され、民主主義社会の基盤も失われることは確実である。国の情報は主権者である国民のものであり、特定の政治家や官僚の所有物ではない。新聞労連は特定秘密保護法案の国会提出に絶対反対の立場を表明するとともに、法案成立阻止に向け幅広い共闘を呼びかける。

 公表された「概要」によると、特定秘密保護法は、防衛や外交など安全保障にかんする4分野で「特定秘密」に指定した情報を漏らした公務員を最高懲役10年に処し、情報を漏らすよう共謀、教唆、扇動した者も処罰する。概要では「拡大解釈による国民の基本的人権の不当な侵害を禁止」する規定が盛り込まれるとされているが、当初は入るとされていた「報道の自由を侵害しない」旨は明記されていない。

 仮にそのような規定が盛り込まれたとしても、法律が成立してしまえば、拡大解釈はいくらでも可能である。市民に伝えるべき情報はこれまで以上に公開が制限され、公務員への取材も厳しく規制されることになる。規制を突破してでも取材を試みるジャーナリストは「教唆犯」「共謀犯」として官憲の取り締まり対象になるだろう。

 2011年3月11日に発生した東日本大震災と東京電力福島第1原発事故では、国による情報公開の遅れによって多くの人が、本来避けることのできた放射能汚染にさらされた。このように、市民、国民の安全、安心のためにも、いま必要なのは情報公開を制限する法律ではなく、情報公開制度のさらなる充実だ。

 歴史的にも、国が情報を統制し国民を真実から遠ざけようとするとき、その背後には必ず戦争への準備が進んでいた。安倍政権の悲願である改憲、集団的自衛権の行使容認と今回の特定秘密保護法案の狙いは、同一地平上にあることは、もはや明らかである。

 新聞労連は1980年代に「国家秘密法案」が国会提出された際、反対運動の先頭に立って廃案に追い込んだ。国家秘密法と特定秘密保護法はその主旨も狙いも全く同じだ。その意味で、今回の特定秘密保護法案提出の動きは新聞労働者全体への挑戦であると受け止める。新聞労連は法案の成立阻止に向け、労使や立場を超えて共闘の輪を拡大していくことを宣言する。
以上