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自民党のTBSへの取材拒否に抗議する
2013年7月8日
日本新聞労働組合連合(新聞労連)
中央執行委員長 日比野敏陽

 自民党は4日、TBSの報道内容について「公正公平を欠く」などとして当面の間、党役員会出席メンバーに対するTBSの取材や出演要請を拒否すると発表した。5日に解除したが、公党が報道機関の取材を拒否することは許されることではない。しかも政権政党であり、参議院選挙のさなかであることも考えると、自らに有利な報道をさせるための、すべての報道機関に対する圧力と見なさざるを得ない。さらに、政府が放送免許の許認可権を握っていることも見過ごすわけにいかない。政権政党による言論・表現の自由、知る権利に対する乱暴な挑戦に断固抗議する。

 報道によると、自民党は4日、6月26日放送の「NEWS23」での報道の構成内容が「電気事業法改正法案など重要法案の廃案の責任がすべて与党側にあると視聴者が誤解するような内容があった」「わが党へのマイナスイメージを巧妙に浮き立たせたとしか受け止められない、今回のTBSの報道姿勢を看過することはできない」と主張。6月27日付のTBS報道局長宛の抗議に対して「いまだ誠意ある回答は得られていない」として、「当面、党役員会出席メンバーについては取材・出演要請に応えることはできない」とする文書を「総裁・幹事長室」名で発表した。菅義偉官房長官は5日午前の記者会見で、「選挙という極めて大切な時期に客観的な事実と違った報道をされた。ある意味当然のことではないか」と述べ、政府としても自民党の対応は妥当との認識を示した。その後、5日にTBSが報道局長名で「指摘を受けたことを重く受け止める。今後一層公平公正に報道していく」との文書を自民党の石破幹事長宛に提出。自民党は「報道現場関係者の来訪と説明を誠意と認め、これを謝罪と受け止める」として取材拒否の解除を発表した。安倍首相(党総裁)は他局番組で「事実上の謝罪をもらったので、この問題は決着した」と述べた。

 報道機関と政権政党の間でこのようなやり取りが行われたことは、極めてゆゆしき事態だ。放送内容が事実と異なると主張するなら、反論や批判として言論で対抗すべきであり、取材拒否という手段は卑劣である。このような公党の取材拒否を認めてしまえば、権力による恣意的な報道統制を許すことになり、自由な言論・報道活動は萎縮し、市民・国民の知る権利は失われてしまう。私たちはこのような政権政党の横暴を糾弾するとともに、全ての報道機関、全てのメディア労働者が連帯して抗議の声を上げるよう呼び掛ける。
以上