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共通番号法案に反対する
2013年5月9日
日本新聞労働組合連合(新聞労連)
中央執行委員長 日比野敏陽

 「共通番号(マイナンバー)法案」が9日、衆議院を通過した。しかし政府が強調する行政の効率化への寄与度やプライバシー侵害の懸念がぬぐい去られたとはとても言いがたい。むしろ政府が説明するようには十分に機能せず、導入、運営コストも膨大なうえ、そもそも国家が個人情報を一元管理すること自体、憲法違反の疑いが濃厚で極めて不当である。なぜこのような重要法案を十分な審議をせず採決するのか。私たちは深刻な人権侵害を引き起こしかねないこのような制度は到底受け入れられない。以下のような状況を踏まえ、改めて廃案にするよう求める。

 共通番号法案は、すべての日本国内居住者に番号を割り振って個人情報を管理・利用する制度で、政府のこれまでの説明では、行政の効率化や防災時の個人確認に役立てるほか、脱税の防止や公平な社会保障給付に貢献するとされている。

 一方で、個人情報が漏れるのをどう防ぐか、番号の不正取得やなりすましなどをどう防止するかなどは、完璧な方法がないことが国会審議でも明らかになっている。共通番号制は民主党政権時代にいったん廃案になり、自民党政権によって新たに提出された。その際、民間利用を大幅に促進することが書き加えられた。個人の番号を民間企業が利用できるようになれば、情報流出や悪用の可能性はさらに高まるが、その対策も明示されていない。韓国ではすでに共通番号制とその民間利用が進んでいるが、プライバシー侵害やなりすましによる被害が多数発生している。

 国家が国民一人一人の情報を一元的に把握することは個人の尊重を定めた憲法13条に触れる可能性も指摘されている。最高裁は住民基本台帳ネットワークシステムをめぐる裁判で、プライバシー権の制約はその制度によって行政が著しく効率化される場合に限るとの判断を示している。
以上