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【緊急声明】解雇自由化に反対する〜安倍政権の産業競争力会議提言を批判する
2013年3月25日
日本新聞労働組合連合
中央執行委員長 日比野敏陽

  安倍政権の産業競争力会議で長谷川閑史・経済同友会代表幹事ら民間議員は3月15日、解雇を原則自由にする法改正を求める提言を行った。このような提案は雇用の不安定化と低処遇化を加速させ、社会の貧困と格差をさらに深めるだろう。それだけではない。内需はますます縮小し、少子化にも歯止めがかからず、景気回復にもつながらない。私たちは産業競争力会議議員の提案を強く批判する。提案を即時撤回せよ。

  産業競争力会議民間議員の提案は、現行の労働契約法の見直しを要求。解雇自由の原則を明記することや、金を払えば自由に解雇できる制度にするよう求めている。

  このような規制緩和がどんな社会をもたらすのか。「派遣切り」や「雇い止め」などで多くの人が職と住居を一度に失い、働いても生活できない「ワーキングプア」が広く認識され、「年越し派遣村」が設営されたリーマンショック直後の状況はまだ記憶に新しい。解雇規制が強行されれば、あの深刻な事態が再来することになるだろう。私たちは首切り自由社会を到底受け入れられない。

  安倍政権は昨年末の発足以来、経済財政諮問会議や産業競争力会議などで、幅広い分野について規制緩和を行う議論を始めているが、労働分野については解雇規制をはじめ、労働時間や労働者派遣などで労働者保護を大幅に後退させようとする動きが明らかになっている。財界からは第一次安倍政権で廃案となった残業代ゼロ法案(ホワイトカラーエグゼンプション法案)の復活を求める声も出てきている。

  従来から財界を中心に「日本は解雇が難しい」「労働者が守られ過ぎている」という指摘がなされてきた。だが、こうした指摘は現実を踏まえず、極めて皮相的である。日本では欧米に比べて圧倒的に強い人事権、裁量権を与えられている。単身赴任も含めて労働者を遠方へ配転させることや、労働者の希望日に有給休暇を与えないこと、三六協定を結べば過労死基準を超えるような超過勤務をさせることも日本では許されるのである。こうした強い裁量権が、長時間労働や無理難題に等しい課題を押しつける労務政策などの横行する「ブラック企業」の背景になっていることを忘れてはならない。

  財界人は現実を直視すべきだ。現在の劣化している日本の雇用状況を改善しようとせず、経営者に都合の良いだけの解雇自由化を推し進めることは断じて許されない。
 
以上