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「4・28主権回復記念式典」開催に反対する
2013年3月22日
日本新聞労働組合連合(新聞労連)
中央執行委員長 日比野 敏陽

 政府は、1952年4月28日にサンフランシスコ講和条約が発効し日本が主権を回復したことを記念して61年目の今年4月28日に天皇、皇后両陛下も出席する政府主催式典を開催することを3月12日、閣議決定した。しかし、この時の「主権回復」は沖縄などを切り離したままであり、同時に日米安保条約も発効して日本の米国従属が固定化された。今、主権回復式典なるものを開催することは、対米従属、沖縄切り捨ての戦後史を歪めて喧伝し、沖縄への差別的基地政策を正当化しようとするものである。新聞労連は同式典の開催に反対する。

 安倍晋三首相は国会で「主権を失っていた7年間の占領期間があったことを知らない若い人が増えている。日本の独立を認識する節目の日だ」と述べた。しかし、このサンフランシスコ講和条約第3条で沖縄、奄美など南西諸島と小笠原諸島は日本から切り離され、米軍による支配が続いた。そして、奄美群島は苛烈な復帰運動を経て1953年に日本に帰り、小笠原諸島は1968年、そして沖縄は、長い復帰闘争の末、1972年にようやく施政権が日本に返還された。首相の発言は、このような歴史的事実に対する認識の乏しさを露呈した。

 また、サンフランシスコ講和条約と同時に調印された日米安保条約(旧安保)と日米行政協定(現在の日米地位協定)もこの日に発効した。同協定によって米軍は日本全域を自由に使用できることになり、現在、危険なオスプレイなどの米軍機が日本の航空法を無視して各地で低空飛行訓練をすることの根拠にもなっている。

 米軍占領が続き軍事要塞化が進められた沖縄では、復帰闘争の中でこの日を「屈辱の日」と呼び、日本に復帰した後も平和団体が毎年集会を開いている。復帰後も基地の過重負担を強いられてきた沖縄では、今回の政府の決定に対して政治的立場を超えて強い憤りの声が上がっている。

 沖縄の状況を見るだけでも、日本は本当に主権を回復したといえるか疑問である。これらの問題について国民的議論が不十分なまま、「主権回復の日」としてことさらに式典を開いて祝うべきではない。私たちは、このような歴史を歪ませる「主権回復記念式典」の開催に反対する。
以上