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「大阪府の公立学校の教職員に君が代斉唱時の起立を義務化する条例に反対する」声明
2011年6月21日
日本新聞労働組合連合
  大阪府の橋下徹知事が代表を務める地域政党「大阪維新の会」が提出した「大阪府の施設における国旗の掲揚及び教職員による国家の斉唱に関する条例」が可決、成立した。同党の強引な議会運営の下、十分な審議も尽くされないままでの可決に強い危惧を感じると同時に、その内容においても公権力が教育現 場に介入し、思想及び良心の自由を侵害する中身で、断じて許すことはできない。ここに強く抗議する。

  本条例には、労働組合や弁護士会、市民などから多くの批判の声が上がっている。日本弁護士連合会は5 月26日に会長声 明を発している。声明では「君が代斉唱時の起立・斉唱を求め、これを条例によって強制することはかつてない事態であり、思想・良心の自由等の基本的人権の保障に加え、教育の内容及び方法に対する公権力の介入は抑制的であるべきという憲法上の要請に違反するものとして、看過できない」と強い調子で批判している。

  こうした思いは多くの労組、市民団体も共有するところである。そもそも、国旗・国歌法制定時には過去の歴史に配慮して、国旗・国歌の義務づけや尊重規定を設けることは適当でないとし、「強制はしない」とした趣旨の国会答弁が繰り返し行われてきた。同法に尊重を義務づける規定が盛り込まれなかったのにはこうした経緯がある。

  新聞労連は、かつて新聞が戦争に荷担した苦い教訓から、「再び戦争のためにペンを、カメラをとらない、輪転機を回さない」を活動の中心に据えてきた。そこには、単に戦争に荷担したということだけではなく、言論の自由を奪われ、思想・良心の自由が侵される中で、戦争協力体制が敷かれたことへの反省も込められている。新聞労連の専門部の一つである新聞研究部では、毎年夏に「しんけん平和新聞」を発行することで過去を検証し直し、言論、思想・良心の自由を守ることを掲げ、新たな戦争に反対する姿勢を いてきた。

  マスコミ労働者として、公権力の介入、思想・良心の自由への規制を許せば、やがては表現の自由にもその影響が及ぶと危機感を感じている。今回の条例のように、数を頼みとし民主主義を否定する有無を言わさぬ手法はもちろん許すことはできず、戦時の思想教育をほうふつとさせるような、公権力の教育現場への介入は断じて許すことはできない。

  橋下知事は、9月議会にも起立義務づけに従わない教職員の懲戒処分を定めた新たな条例案の提出も検討していると報道されている。もし、起立・斉唱したくない労働者が少数派であったとしても、思想・良心の自由は最大限尊重されるべきである。少数派の権利を尊重できない社会は息苦しく、やがて、多数の権利を軽く扱う社会になる。

  我々は改めて条例成立に抗議するとともに、今後も憲法上でも重大な疑義が指摘されている同条例の撤廃、新たな処罰条例阻止を求めて、労働界、法曹界、幅広い市民と連帯し抗議行動を展開していくことをここに表明する。
以上