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新たなメディア規制である省庁会見の廃止に抗議する
2009年9月17日
日本新聞労働組合連合
中央執行委員長 豊秀一
 民主、社民、国民新の3党による鳩山連立内閣は、政権交代が実現したその日に新たなメディア規制を打ち出してきた。各省事務次官会議の廃止に伴い、毎週行われてきた事務次官の定例記者会見を廃止することを申し合わせた。さらに、消費者庁長官、気象庁長官、警察庁長官、公正取引委員会事務総長の定例会見も中止となるなど、事務次官以外の行政機関の長にまで記者会見中止の動きが広がっている。権力の監視を使命とするジャーナリズムにとって、事務次官等の記者会見は政策形成過程を国民に明らかにするうえでも不可欠な取材の場である。時の政権の意向で一方的に廃止することは取材の自由を侵し、ひいては市民の知る権利を制約する暴挙というほかない。全国の新聞・通信社の労働組合で作る産別組織として強く抗議するとともに、会見廃止措置のすみやかな撤回を求める。

 新政権による記者会見廃止の狙いは、事務次官らの発言が報道されることによる「既成事実づくり」や「世論誘導」を封じ込め、民主党が唱える「官僚依存からの脱却」「政治主導」を世間にアピールすることにある。新政権発足直前の記者会見で民主党の岡田克也幹事長(当時、新政権で外相)は、事務次官の定例会見について「事務次官と閣僚は同じことを言うはずだ。閣僚がきちんと会見すれば十分。国民の知る権利は損なわない」と公言。平野博文官房長官は16日、「公務員の記者会見の中止」にまで言及した。省庁会見の廃止ばかりではない。鳩山由紀夫首相の取材対応についても、首相官邸で1日2回行われてきた「ぶら下がり取材」の縮小が検討されているという。

 歴史的な政権交代で熱に浮かれ、報道機関の役割をあまりにも軽んじてしまっているのではないか。そもそも事務次官会見をはじめ省庁会見は、報道機関側が官僚機構に説明責任を果たす場として開催を求めて実現してきた歴史がある。行政機関の長や上層部が何を考え、何をしようとしているのか、何をしたのかを公開の場で直接問いただし、市民の知る権利に応えるためである。そうした経緯を顧みることなく、権力を手にした途端に一方的に記者会見を廃止することは、報道の自由への不当な介入にほかならない。日米間の密約の公開を約束し、情報公開をうたう新内閣には、記者会見の廃止をすみやかに撤回することを求める。もし、このまま廃止方針を変えなければ、「言論統制内閣」として歴史に名を汚すことを自覚すべきである。
以 上