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憲法審査会規定の強行採決に抗議する
2009年6月11日
日本新聞労働組合連合
中央執行委員長 豊秀一
 憲法改正原案を審議する衆院憲法審査会規定が11日、衆院本会議で与党の賛成多数で可決、制定された。民主、共産、社民、国民新の各野党がこぞって反対する中での強行採決であり、国会内での合意や信頼関係を壊してまで強引に改憲の道を推し進めようとする与党の姿勢に抗議の意思を表明する。深刻な経済危機に見舞われて格差・貧困問題が拡大する中、国民にとって切実な課題は、安心して暮らせる社会をどう築くかであって、憲法改正ではない。総選挙を間近に控えて、民意とかけ離れた暴挙に踏み切った麻生内閣の対応は、とうてい理解できるものではない。

 憲法審査会そのものは2007年、「戦後レジームからの脱却」を掲げる安倍政権下で憲法改正手続きを定めた国民投票法が成立したことに伴って衆参の両院に設置された。しかし、様々な問題点を抱えたままで国民投票法の採決を与党が強行したため、審査会の委員数や手続きを定めた運営規定が作られないまま、その後休眠状態が続いていた。来年5月には国民投票法が施行され、国会が憲法改正原案を発議することができるようになる。この時期にあえて憲法審査会規定の制定を強行したのは、国民投票法施行をにらんで改憲に向けた地ならしを急いでいると見るほかない。

 そもそも国民投票法は、@最低投票率制度が設けられていないA公務員や教育者の地位利用による国民投票運動が禁止され、萎縮効果を生むBラジオ・テレビの有料広告規制と表現の自由との兼ね合い――などの多くの問題点が解消されておらず、参院の採決にあたり18項目もの付帯決議がつけられた経緯がある。憲法は私たちの暮らしや政治のありようを長きにわたって決める最も基本的なルールであり、国民投票は主権者である私たち一人ひとりの意思を示すものにほかならない。政治に求められているのはまず、安倍政権下で強引に作った国民投票法が国民の意思をきちんと反映できる公正・公平な中身になっているのか、徹底的に見直すことではないか。衆院には憲法審査会規定を撤回するよう求めたい。
以 上