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許されない言論への挑戦行為だ
2009年2月24日
日本新聞労働組合連合(新聞労連)
中央執行委員長  豊 秀一
 NHKの東京・渋谷の放送センターと札幌、長野、福岡の各放送局に対して、ライフル銃の実弾のような金属が送り付けられていたことが明らかになった。いずれも朝日新聞襲撃など一連の事件で犯行声明に使われた「赤報隊」の文字が印刷された紙が同封されていたという。22日にはNHK福岡放送局の玄関付近で買い物用バックに入ったガスボンベが爆発する放火未遂事件が起きたばかりだ。NHKに犯行声明などは届いていないといい、現時点で事件の動機や背景はよくわかっていない。しかし、報道機関を狙ったこうした行為は、自由な言論活動を脅かしかねず、いかなる理由があろうとも許すわけにはいかない。事件の全容解明に向けて、警察当局には徹底した捜査を尽くすよう求めたい。
 民主主義は、自らの考えといかに異なる意見であっても、多様な意見や価値観を尊重し合うことで初めて成り立つ。報道機関は、社会の中の多様な意見を広く社会に伝え、市民の知る権利に奉仕する役割を担っている。その報道機関を暴力で脅す行為は、民主主義を踏みにじる行為であり、社会全体への挑戦だと言っても過言でない。NHKを狙ったテロであれば言うまでもないし、仮にいたずらや憂さ晴らしでこうした行為に及んだとしても、とうてい許される行為でない。
 一連の朝日新聞襲撃事件の中で、1987年5月3日、阪神支局の襲撃で小尻知博記者(当時29)が殺害され、記者1人が重傷を負った。一連の事件は未解決のまま公訴時効は2003年にすべて成立したが、同社取材班は今なお、真相を突き止めるための努力を続けている。小尻記者殺害で「赤報隊」を名乗る犯行声明が送られてきたが、NHKに今回送られてきた封筒の中にも「赤報隊」の文字が印刷された紙が入っていた。両者がいかなる関係にあるのか、捜査当局の今後の解明を待たなければならない。もし、愉快犯で「赤報隊」の名を使ったとすれば、報道機関ばかりか被害者の名誉をも踏みにじる卑劣極まりない行為であることを犯人は肝に銘じるべきである。
以 上