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自衛隊警務隊の強制捜査は「知る権利」への圧力だ

2007.2.16
日本新聞労働組合連合
執行委員長 嵯峨 仁朗

 中国潜水艦事故をめぐり、新聞社に情報を流したとして自衛隊・警務隊が自衛隊法違反(秘密漏洩)の疑いで、防衛省一等空佐の強制捜査に踏み切ったことに対し、日本新聞労働組合連合(新聞労連)は「知る権利」に重大な影響を与えるものと強い懸念を表明する。
 今回は報道側は捜査対象となっていないが、報道機関への情報提供に対する強制捜査はきわめて異例のことだ。
 あらためて言うまでもなく、新聞をはじめとする報道機関に国民が本質的に期待する責務は、政府が公式に発表することだけを報じることではない。「知らしむべからず」の性向を持つ権力側にとって不都合な情報を白日のもとにさらすことにこそ、ジャーナリズムの本分がある。
 こうした情報は、権力の奥深く、取材源の心の中に入り得てこそ入手できるものだ。こうした行動を法で規制し罰することは、国民の「知る権利」への挑戦だ。
 確かに、公務員が自分の個人的利益のために国民を不安と危険に陥れるような情報を漏洩するのは公僕の規範を逸脱するものだろう。しかし、国民が知らないことによって国民自身が不利益を被るときは、むしろ情報は積極的に公開されるべきだ。
 問題になっている記事は、南シナ海で中国の潜水艦が事故を起こし航行不能となっていることを報じたもので、明らかに国民みんなが知るべきニュースだ。どうしてこれが防衛機密なのか。そもそも、例えば北朝鮮の動向をめぐっては明らかに防衛省筋のものと思われる機密がたびたび記事になっている。都合のいい情報はリークしておきながら、自分たちの予測外の情報漏れは犯罪と決めつけるのだろうか。
 捜査の全容と狙いはまだ不明だが、この強制捜査が「知る権利」と「報道の自由」への圧力と牽制であるとすれば、新聞現場で働く私たちは強い憂慮を表明する。

以 上