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「新聞の特殊指定」改廃に反対する声明
 公正取引委員会は11月2日、新聞業をはじめとする「特定の不公正な取引方法」(いわゆる「特殊指定」)の見直し作業を始める方針を示した。新聞の特殊指定は、著作物再販制度と一体となって、同じ題号の新聞なら、全国どこでも同じ価格で戸別配達されることを担保している。新聞が、民主主義の発展に不可欠な言論商品であることは自明で、一般消費財と同等にみなしてやみくもに競争原理を導入し、同一題号の新聞に無原則な価格差が生じるようになれば新聞販売店の経営は成り立たず、戸別配達制度は崩壊する。読者間に価格格差を、すなわち社会に情報格差を生むことになりかねない。以上の観点から、わたしたちは新聞の特殊指定の改廃に反対する。

 1989年の日米構造協議で議題に上り、規制緩和のひとつとして見直しが始まった著作物の再販制度は、公取委が98年と2001年にそれぞれ結論を出した経緯がある。いずれも制度の維持は必要としながらも、近い将来の見直しを示唆した内容だった。「当面存続」との01年の結論から4年余。依然として、再販制度の必要性に変わりはなく、制度廃止が読者・国民の利益につながる状況にもない。こうした中で特殊指定が改廃されれば、再販制度が崩れ始めるのは必至である。
 一方で、わたしたちは、新聞発行本社が「押し紙」による部数維持、部数拡大第一主義から脱却しきれていないことを率直に認めたい。「販売正常化」は発行本社、販売店を問わず急務であることに変わりはなく、わたしたちも労働組合の立場から、積極的に改善を求めていく。低水準に置かれたままの販売店で働く人たちの労働条件も、同様である。
 また、わたしたちは、共謀罪新設など数々の言論・表現規制の動きが策動されている今、新聞が「権力の監視」機能を強め「言論、表現の自由」「知る権利」を守るためにジャーナリズム性を強めていくことが必要だと考える。いわゆるメディアスクラムなどの報道被害は改善されたとはいえ、なくなっておらず、記者クラブ問題などをめぐって権力報道のスタンスも問われている。そうした新聞ジャーナリズムへの信頼低下から、新聞の仕事に携わるわたしたちは目を背けてはならない。
 インターネットの台頭などもあって、新聞購読者が減る傾向にあるのは否定できない。しかし、新聞や出版物などの活字メディアが世論形成に及ぼす影響力はいまだに大きい。新聞が平和と民主主義の発展に寄与する言論商品であるために、再販制度と特殊指定は不可欠だ。その維持のためには、読者・市民の新聞への信頼が欠かせない。わたしたちは、新聞特殊指定の改廃に反対するとともに、同時に、読者・市民に信頼される新聞ジャーナリズムを目指し引き続き活動していくことを表明する。

2005年12月15日
日本新聞労働組合連合(新聞労連)
拡大中央執行委員会