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年金改革関連法案の成立に強く抗議する
 自民、公明の与党が6月5日、抜本的な問題解決を先送りしたまま年金改革関連法案を参院本会議で成立させたことに対し、断固抗議するとともに審議の全面的なやり直しを強く求める。
 今回の改革法案は、厚生年金の保険料率や国民年金の月額保険料を今後10年以上にわたって段階的に引き上げるだけでなく、受給開始時のモデル世帯の給付水準が現役世代の平均手取り額に対する割合で現行の59・3%から50・2%に下がるなど、国民に大きな負担を押しつけるものである。
 景気が回復基調にあるとはいえ、今以上に家計を圧迫されれば購買意欲は減退し、消費拡大による自律的な経済成長はおぼつかなくなる。同様に負担が増える企業が雇用を抑制し、年金財政を支える世帯がますます減る可能性も高い。景気と雇用の双方に重大な影響を及ぼすのは、誰の目にも明らかだ。
 それ以上に問題なのは、この改革法案が将来に対する国民の不安に何ら答えていないばかりか、法案の目玉とされる2枚看板にごまかしがあったことである。厚生年金の保険料率や国民年金の保険料が2017年度まで段階的に引き上げられるだけでなく、その後も引き上げられる可能性があること。現役世代の賃金水準の50%確保という看板もモデル世帯の65歳時点だけで、それ以降は下がることも明らかになっている。そして基礎年金の国庫負担割合を現行の3分の1から09年度までに2分の1へ引き上げるという「公約」は、09年度まで先送りされた。
  年金制度に対する国民の不安が高まっているのは、政府当局が過去、国民との約束をことごとく反故にしてきたからにほかならない。国民をだまし討ちにしするような姿勢を改めない限り、国民の不安感と不信感が止むことはない。
 年金制度改革の背景に、少子化による財源不足という構造的な問題があることは国民も理解している。だからこそ公約破りやだまし討ちのような卑劣な手を使うのでなく、今後の公的年金制度のあるべき姿を、国民参加のもとで真剣に議論し、長期的な展望から抜本的に見直す必要がある。
 それに比べて今回の改革法案はあまりに拙速であり、また国会議員の保険料未納問題に終始し、十分な審議が尽くされなかった。現行法の制度設計上の問題点をどれだけつぶさに検証したのか。年金基金の運用失敗を早期に是正する努力を怠った不作為責任は明確に示されたのか。抜本改革への足がかりになるとの期待もあった公的年金一元化の議論はどこへいったのか。国民の誰一人として、十分とは思ってはいない。
 制度を作るのは与党と官僚だが、それによって老後の生活を大きく左右されるのは国民にほかならない。今一度、国民とも対話しながら、少子高齢化時代の社会保障制度のあり様にまでさかのぼって、突き詰めた議論をすべきである。新聞労連は十分な審議なき今改革法を、国民の意思に反するものと考え、法律施行を差し止めて早急に練り直すよう重ねて強く要求する。 
2004年6月7日
日本新聞労働組合連合(新聞労連)
中央執行委員長  明珍 美紀