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自衛隊の即時撤退を求める緊急アピール
 自衛隊の撤退を条件に、イラクで日本人のボランティアら3人が拘束され、その映像が8日夜、カタールの衛星テレビで放映された。防衛庁や外務省など政府関係者は、「民間人が標的になるのは想定外」などと、驚くべき発言をした。一般の日本人が狙われる危険性はこれまでも専門家に限らず、さまざまなところで指摘されていたはずだ。自衛隊の派兵そのものが、イラクの混乱に拍車をかけていることに謙虚に目を向けるべきだ。政府は人命尊重を第一に考えよ。私たちは、「撤退する理由はない」とつっぱねた政府の態度に抗議する。そしてイラクからの自衛隊の即時撤退を強く要求する。
 福田康夫官房長官は8日夜の会見で、「そもそもわが国の自衛隊は、イラクの人々のために人道支援を行っている。撤退の理由はないと考えている」と述べた。あくまでも米国に追従する。これがいまの日本政府の姿だ。
 福田官房長官は、「無辜(むこ)の民間人が人質に取られているのなら、許し難く強い怒りを覚える」と発言した。人の命と引き替えにする行為は絶対に許されない。しかし、この事件を引き起こした原因は、そもそも安易に自衛隊を派兵した日本政府にある。
 日本政府は、憲法が禁じる海外での武力行使につながりかねないイラクへの「派兵」を強行した。イラクの市民からみれば、重装備でやって来た自衛隊は、「日本の軍隊」そのものだ。今回の事件には、自分勝手な価値観でイラクを攻撃し、人々の尊厳を傷つけたブッシュ大統領の暴挙と、占領政策に対する抵抗が根底に流れていることを忘れてはいけない。それに加担したのは日本政府の明らかな過ちだ。
 イラク人が日本に求めているのは、電力や通信網など市民生活に関わる国全体のインフラの復旧・整備、医療活動の援助だろう。自衛隊が一部地域に行き、専門外のことを汗水流してやったとしても、どれだけの支援になり得るのか。自衛隊を送り込むために多額の資金が拠出された。が、それだけの資金を使うなら、まずは国際的な枠組みのなかで全体の復興計画をたて、そこに資金と人材を有効に投入していくのが日本の役目だ。
 日本政府は、3人の人質がイラク派兵に反対し、イラクの人々の被害に心を痛めて草の根の支援に尽力していたことを一刻も早く、拘束した側に伝えるべきだ。そして自衛隊を撤退させる用意があることをすみやかに表明すべきだ。
 撤退は、日本政府の考えるような「テロに屈すること」でも「恥」でもない。非軍事での支援が、本来、日本のとるべき政策だからだ。
 改めて日本政府に要求する。イラクからの自衛隊の撤退をすぐに決断せよ。
2004年4月9日
日本新聞労働組合連合
中央執行委員長 明珍美紀